突然ですが、あなたはパスポートを持っていますか?
持っている人は旅に出るとき、当たり前のようにパスポートをかばんに入れるでしょう。
しかし、日本人のなかでこの簡単な動作ができる人はたったの約24%(※1)です。
つまり、
日本のパスポート保有率は24%にすぎません。
このデータを念頭に置きながら、この問いに知恵を絞ってみましょう。
日本のパスポートを取得した場合、何カ国でビザなし、あるいは到着ビザで入国できると思いますか?
答えはなんと170カ国です!
おそらく多くの人は、この数字を見てもなかなかピンとこないでしょう。
では、アメリカのウエブマガジンGOODが作ったインフォグラフィックを見ながら、日本と世界の各国の状況を比べてみましょう。
(※1)参照:外務省がまとめた2014年(1-12月)の「旅券統計」
世界のパスポートは同じではない
GOOD How Powerful is Your Passport? by Ricky Linn
上記の地図では世界の国々が色で塗り分けられています。
黒から淡いピンクまでを使って、色でその国の「パスポートの力」が表象されており、黒に近づくほど、その国のパスポートの力が強いということになっています。
アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリアは微妙な違いがありますが、全体的に黒色がほとんどです。
また、ヨーロッパが特に黒くなっています。
なぜかというと、ヨーロッパにはシェンゲン圏(※2)が存在しており、シェンゲン圏内で国境を越える際には検査を受けなくてもいいことになっているからです。
アジアでは日本、シンガポール、韓国、マレーシアが黒く塗られており、地図上で目立っています。
(※2)シェンゲン圏とは、シェンゲン協定が適用されるヨーロッパの26の国の領域。欧州連合に加盟しているからといって、必ずしもシェンゲン圏に含まれているとは限らない。
日本のパスポートのランキングは?
GOOD How Powerful is Your Passport? by Ricky Linn
上記の画像を見ると、一番強いパスポートはフィンランド、スウェーデン、イギリスとなっています。
この国のパスポートを保有する人は、ビザなしで173カ国に入国できます。
その次にアメリカやドイツなどのパスポートで172カ国、イタリアなどのパスポートで171カ国に入国できます。
では、このランキングで日本は何位になっているのでしょう?
答えは第4位。
日本人はビザなし、あるいは到着ビザで170カ国に入国できます。
これはカナダ、スペイン、フランスなどと同位です。
同じアジアの国では、
シンガポールが第6位(167カ国)、
韓国が第7位(166カ国)、
マレーシアが第9位(163カ国)
となっています。
GOOD How Powerful is Your Passport? by Ricky Linn
一方、アフリカと中東・東南アジアには淡いピンク色が目立ちます。
ランキングの最低位には、
アフガニスタン(28カ国)、
イラク(31カ国)、
パキスタン(32カ国)、
エリトリア(36カ国)、
シリア(39カ国)
などが入っています。
この国々のパスポートを保有している人は、ビザなしではあまり多くの国には行けず、ビザを獲得することも容易ではありません。
恵まれた権利とは?
Ricky Linnさんが指摘しているように、パスポートやビザはある国への入国を保証するための紙なのではなく、国際関係や世界政治における国々の権力を反映するものになっています。
ランキングで第4位となっている日本は、世界政治において強い国として認められている証拠で、パスポートを保有していなくても、「日本人」として誇りを持つべきなのかもしれません。
強い力を持つパスポートを保有することの意味を、もう一度考えてみましょう。
実は、ビザなしで世界の170カ国を旅することができるという事実は、それだけで計りきれないぐらい大きなメリットなのです。
明日、その中の国に飛びたいと思ったら、航空券を購入するだけで、それは可能となるのです。
そう考えると、日本人の77%がパスポートを持っていないという現状は、あまりにも不自然で、こんなに恵まれた権利があるのにも関わらず、海外に出ようとさえ思わないという事実はおかしいと感じませんか? もったいないと思いませんか?
「日本は美しい」
「日本は安全」
「日本ほどいい国がない」
「日本はユニークな国だ」
様々な場面でしばしば聞く言葉です。
そして、どれも否定する理由のない言葉ですが、あなたが今いる母国の良さを理解するために、違う国を見る必要があると思います。世界中には美しい国、安全な国、ユニークな国がたくさんあります。
さこんなに自由に世界を行き来する権利が与えられているのに、それを使わないのはもったいないと思いませんか?
(ライター: Letizia Guarini)
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